○移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例
平成24年12月27日
条例第21号
(趣旨)
第1条 この条例は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。以下「法」という。)第13条第1項に規定する移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定めるものとする。
(1) 移動等円滑化 法第2条第2号に規定する移動等円滑化をいう。
(2) 特定公園施設 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令(平成18年政令第379号。以下「令」という。)第3条に規定する園路及び広場、屋根付広場、休憩所、野外劇場、野外音楽堂、駐車場、便所、水飲場、手洗場、管理事務所、掲示板又は標識をいう。
(3) 高齢者、障害者等 法第2条第1号に規定する高齢者、障害者等をいう。
(4) 視覚障害者誘導用ブロック 令第11条第2号に規定する点状ブロック等及び令第21条第2項第1号に規定する線状ブロック等を適切に組み合わせて床面に敷設したものをいう。
(5) 主要な公園施設 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則(平成18年国土交通省令第110号)第2条第2項に規定する施設をいう。
(6) 公園管理者等 法第2条第14号に規定する公園管理者等をいう。
(7) 新設特定公園施設 法第13条第1項に規定する施設をいう。
(一時使用目的の特定公園施設)
第3条 災害等のため一時使用する特定公園施設の設置については、この条例の規定によらないことができる。
(園路及び広場)
第4条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する園路及び広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 出入口からの水平距離が150センチメートル以上の水平面を確保すること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
イ ウに規定する場合を除き、車椅子を使用している者(以下「車椅子使用者」という。)の通過の支障となる段がないこと。
ウ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路(その踊場を含む。以下同じ。)を併設すること。
(2) 通路は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(3) 階段(その踊場を含む。以下同じ。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
イ 手すりの端部の付近には、階段の通ずる場所を示す点字を貼り付けること。
ウ 回り段がないこと。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
エ 段鼻の突き出しその他のつまずきの原因となるものが設けられていない構造のものであること。
オ 階段の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(4) 階段を設ける場合は、傾斜路を併設しなければならない。ただし、地形の状況その他の特別の理由により傾斜路を設けることが困難である場合は、エレベーター、エスカレーターその他の昇降機であって高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものをもってこれに代えることができる。
(5) 傾斜路(階段若しくは段に代わり設けるもの又はこれらに併設するものに限る。)は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 横断勾配は、設けないこと。
イ 手すりが両側に設けられていること。ただし、地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない。
ウ 傾斜路の両側には、立ち上がり部が設けられていること。ただし、側面が壁面である場合は、この限りでない。
(6) 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(屋根付広場)
第5条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する屋根付広場を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(休憩所及び管理事務所)
第6条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する休憩所を設ける場合は、そのうち1以上は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
(2) カウンターを設ける場合は、そのうち1以上は、車椅子使用者の円滑な利用に適した構造のものであること。ただし、常時勤務する者が容易にカウンターの前に出て対応できる構造である場合は、この限りでない。
(3) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(野外劇場及び野外音楽堂)
第7条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外劇場は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、第5条第1号に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ウ 高齢者、障害者等が転落するおそれのある場所には、柵、視覚障害者誘導用ブロックその他の高齢者、障害者等の転落を防止するための設備が設けられていること。
(3) 野外劇場の収容定員が200人以下の場合は当該収容定員に50分の1を乗じて得た数以上、収容定員が200人を超える場合は当該収容定員に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる観覧のための場所(以下「車椅子使用者用観覧場所」という。)を設けること。
2 車椅子使用者用観覧場所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 車椅子使用者の利用の支障となる段がないこと。
(2) 車椅子使用者が転落するおそれのある場所には、柵その他の車椅子使用者の転落を防止するための設備が設けられていること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める基準
3 前2項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する野外音楽堂について準用する。
(駐車場)
第8条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する駐車場を設ける場合は、そのうち1以上に、当該駐車場の全駐車台数が200台以下の場合は当該駐車台数に50分の1を乗じて得た数以上、全駐車台数が200台を超える場合は当該駐車台数に100分の1を乗じて得た数に2を加えた数以上の車椅子使用者が円滑に利用することができる駐車施設(以下「車椅子使用者用駐車施設」という。)を設けなければならない。ただし、専ら大型自動二輪車及び普通自動二輪車(いずれも側車付きのものを除く。)の駐車のための駐車場については、この限りでない。
2 車椅子使用者用駐車施設は、当該施設又はその付近に、車椅子使用者用駐車施設の表示をするほか、規則で定める基準に適合するものでなければならない。
(便所)
第9条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 男子用小便器を設ける場合は、1以上の床置式の小便器、壁掛式の小便器(受け口の高さが35センチメートル以下のものに限る。)その他これらに類する小便器が設けられていること。
(2) 前号の規定により設けられる小便器には、手すりが設けられていること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、規則で定める基準
2 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する便所を設ける場合は、そのうち1以上は、前項に掲げる基準のほか、次に掲げる基準のいずれかに適合するものでなければならない。
(1) 便所(男子用及び女子用の区別があるときは、それぞれの便所)内に高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便房(以下「多機能便房」という。)が設けられていること。
(2) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する便所(多機能便房が独立して便所としての用途に供されているものをいう。以下「独立型多機能便房」という。)であること。
第10条 多機能便房が設けられた便所は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ウ 多機能便房が設けられていることを表示する標識が設けられていること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
2 多機能便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア 車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 多機能便房であることを表示する標識が設けられていること。
(2) 腰掛式の便器及び手すりが設けられていること。
(3) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
(4) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
第11条 独立型多機能便房は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 出入口は、次に掲げる基準に適合するものであること。
ア イに規定する場合を除き、車椅子使用者の通過の支障となる段がないこと。
イ 地形の状況その他の特別の理由によりやむを得ず段を設ける場合は、傾斜路を併設すること。
ウ 独立型多機能便房であることを表示する標識が設けられていること。
(2) 車椅子使用者の円滑な利用に適した広さが確保されていること。
(3) 腰掛式の便器及び手すりが設けられていること。
(4) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造を有する水洗器具が設けられていること。
(水飲場及び手洗場)
第12条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する水飲場を設ける場合は、そのうち1以上は、高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものでなければならない。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する手洗場について準用する。
(掲示板及び標識)
第13条 不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する掲示板は、次に掲げる基準に適合するものでなければならない。
(1) 高齢者、障害者等の円滑な利用に適した構造のものであること。
(2) 当該掲示板に表示された内容が容易に識別できるものであること。
2 前項の規定は、不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する標識について準用する。
(新設特定公園施設以外の特定公園施設への適合)
第15条 公園管理者等は、法第13条第5項の規定に基づき、その管理する新設特定公園施設以外の特定公園施設について、当該特定公園施設をこの条例に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
附則
この条例は、公布の日から施行する。
附則(令和3年7月29日条例第16号)
この条例は、公布の日から施行する。