○成年後見制度利用支援事業実施要綱

平成30年1月29日

告示第12号

成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成18年久慈市告示第37号)の全部を次のように改正し、平成30年2月1日から施行する。この場合において、同日前に行った審判の請求及び成年後見人等の活動に関し付与する報酬に対する助成については、なお従前の例による。

(趣旨)

第1 この告示は、久慈市(以下「本市」という。)に居住する判断能力が十分でない65歳以上の者(65歳未満の者であって特に支援が必要と認められるものを含む。)、知的障害者及び精神障害者(以下「要支援者」という。)の福祉の増進を図るため、成年後見制度利用支援事業(以下「支援事業」という。)の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(審判の請求の種類)

第2 審判の請求の種類は、次のとおりとする。

(1) 民法(明治29年法律第89号)第7条に規定する後見開始の審判

(2) 民法第11条に規定する保佐開始の審判

(3) 民法第13条第2項に規定する保佐人の同意を得なければならない旨の審判

(4) 民法第876条の4第1項に規定する保佐人に代理権を付与する旨の審判

(5) 民法第15条第1項に規定する補助開始の審判(以下「補助開始の審判」という。)

(6) 民法第17条第1項に規定する補助人の同意を得なければならない旨の審判

(7) 民法第876条の9第1項に規定する補助人に代理権を付与する旨の審判

(支援事業の内容)

第3 支援事業の内容は、次のとおりとする。

(1) 老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定に基づき市長が行う審判の請求

(2) 民法第7条の後見開始の審判、同法第11条の保佐開始の審判又は同法第15条第1項の補助開始の審判(以下「後見開始の審判等」という。)を請求する者又は当該者に代わり当該後見開始の審判等を請求する者による当該後見開始の審判等に要する費用(以下「審判請求費用」という。)に対する助成金の交付

(3) 民法第862条(民法第852条、第876条の3第2項、第876条の5第2項、第876条の8第2項及び第876条の10第1項において準用する場合を含む。)の規定により審判の請求に基づき選任された成年後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人に付与する報酬(以下「報酬費用」という。)に対する助成金の交付

(審判の請求における対象者)

第4 市長が審判の請求をする要支援者は、次の各号のいずれにも該当する者で、特に支援の必要があると認められたものとする。

(1) 判断能力が不十分な要支援者

(2) 次のいずれかに該当する者

ア 配偶者及び2親等以内の親族(以下「親族等」という。)がいない者

イ 親族等による審判の請求の申立てを拒否された者

ウ 親族等に虐待されている者

エ 親族等と連絡がつかない等の状況にある者

(3) 本市に居住する者又は本市以外に居住する者のうち次のいずれかに該当するもの

ア 介護保険法(平成9年法律第123号)第13条第1項の規定による本市の住所地特例対象被保険者

イ 老人福祉法第5条の4第1項ただし書の規定により本市から福祉の措置を受けている者

ウ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「総合支援法」という。)第19条の規定により、本市から介護給付費等を支給する旨の決定を受けている者

エ 生活保護法(昭和25年法律第144号)第19条の規定により本市が保護を決定し、当該保護を受けている者

2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者は除く。

(1) 介護保険法第13条第1項の規定により本市以外の市区町村が行う介護保険の被保険者である者のうち当該本市以外の市区町村の長が行う審判の請求の対象となるもの

(2) 老人福祉法第5条の4第1項ただし書の規定により本市以外の市区町村から福祉の措置を受けている者のうち当該本市以外の市区町村の長が行う審判の請求の対象となるもの

(3) 総合支援法第19条の規定により本市以外の市区町村から介護給付費等を支給する旨の決定を受けている者のうち当該本市以外の市区町村の長が行う審判の請求の対象となるもの

(4) 生活保護法第19条の規定により、本市以外の都道府県知事、市長及び社会福祉法(昭和26年法律第45号)に規定する福祉に関する事務所を管理する町村長が保護を決定し、当該保護を受けている者のうち、本市以外の居住する区域の市区町村長が行う審判の請求の対象となるもの

3 第1項の規定にかかわらず、本市以外の市区町村が要支援者の実態を最もよく把握していると認められる場合であって、当該要支援者が当該本市以外の市区町村の長が行う審判の請求の対象となると見込まれる場合には、当該本市以外の市区町村と協議の上、市長が審判の請求を行うべきか否かを決定するものとする。

(審判の請求の判断基準等)

第5 市長は、審判の請求について必要性の有無を判断するに当たっては、次に掲げる要件を総合的に勘案するものとする。

(1) 要支援者の事理を弁識する能力

(2) 要支援者の親族等の存否、当該親族等による要支援者の保護の可能性及び当該親族等が審判の請求を行う意思の有無

(3) 要支援者の健康状態、生活の状況及び資産の状況

(4) 行政等が行う各種施策及びサービスの活用による要支援者に対する支援策の効果

(5) 要支援者の成年被後見人、被保佐人又は被補助人(以下「成年被後見人等」という。)及び任意後見契約(任意後見契約に関する法律(平成11年法律第150号)第2条第1号に規定する任意後見契約をいう。)の締結の有無

(6) その他市長が必要と認める事項

2 市長は、審判の請求をする親族等がいない場合において、3親等又は4親等の親族であり審判の請求をする者の存在が明らかである場合は、当該親族による審判の請求を妨げないものとする。

(審判の請求に要した費用の求償)

第6 市長は、市長が行う審判の請求に係る審判請求費用について、要支援者の収入、資産等の状況から当該審判請求費用の全部又は一部を当該要支援者に負担させることが適当であると認めたときは、裁判所に対し、家事事件手続法(平成23年法律第52号)第28条第2項の規定による当該費用の負担の申立てを行うものとする。

2 家庭裁判所が前項の審判請求費用の全部又は一部を負担すべきと認めた場合は、市長は、当該負担すべき額を求償するものとする。

(親族等への情報提供)

第7 市長は、親族等に対して当該親族等による審判の請求を行う意思の有無を確認する場合には、必要に応じて、要支援者の状況等の情報を必要の範囲内で当該親族等に提供することができる。

2 前項の規定による情報の提供を行う場合には、個人情報保護条例(平成18年久慈市条例第21号)に基づき、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。

(審判請求費用助成の対象者)

第8 審判請求費用の助成対象者は、次の各号のいずれにも該当する成年被後見人等に係る後見開始の審判等を請求した者とする。

(1) 助成を申請した日(助成を申請する前に審判の対象者が死亡した場合にあっては、当該死亡した日)に審判の対象となる者が本市に居住地を有する者又は本市以外に居住地を有する者のうち第4第1項第3号アからエまでのいずれかに該当するもの

(2) 次のいずれかに該当する者

ア 生活保護法第6条第1項に規定する被保護者

イ 中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律(平成6年法律第30号)第14条第1項に規定する支援給付を受けている者

ウ 資産、収入等の状況からアに準ずると市長が認める者

(報酬費用助成の対象者)

第9 報酬費用の助成対象者は、第8各号のいずれにも該当する成年被後見人等とする。ただし、成年後見人、保佐人又は補助人(この告示において「成年後見人等」という。)が成年被後見人等の配偶者、直系血族又は兄弟姉妹である場合は、報酬費用の助成の対象としない。

2 前項の規定にかかわらず、報酬費用の助成対象者が第13の規定による申請を行う前に死亡した場合又は家庭裁判所の報酬付与の審判が報酬費用の助成対象者の死亡後に行われた場合には、家庭裁判所の報酬付与の審判がなされた成年後見人等を報酬費用の助成対象者とする。

(助成の例外)

第10 第8及び第9の規定にかかわらず、本市以外の市区町村又は団体の実施する制度により、審判請求費用又は報酬費用の助成を受けることができる者は、助成の対象としない。

(審判請求費用助成の対象)

第11 審判請求費用に係る助成の支給対象額は、審判の請求に要した次に掲げる費用の額とする。

(1) 郵便切手代

(2) 収入印紙代

(3) 診断書料

(4) 鑑定料(補助開始の審判の場合を除く。)

(報酬費用助成の対象)

第12 報酬費用に係る助成の支給対象額は、民法第862条、第876条の5第2項及び第876条の10第1項の規定による報酬の付与の審判において、家庭裁判所が決定する報酬の額とする。

2 報酬費用に係る助成の対象期間は、家庭裁判所が決定する期間とする。ただし、助成金の支給の申請を行った日から起算して2年前の日が属する月以後の期間に限る。

3 報酬費用に係る助成の支給額は、成年被後見人等が別表に掲げる施設等へ入所している場合は月額1万8,000円、その他の場合は月額2万8,000円を上限とする。この場合において、施設等へ入所をしている期間とその他の期間とをまたぐ月については、上限額を月額2万8,000円とし、これを合算して全助成対象期間の上限額を定める。

4 報酬費用に係る助成の対象者について、成年後見監督人、保佐監督人又は補助監督人(以下「成年後見監督人等」という。)が選任されている場合、前項に規定する助成上限額は、成年後見人等及び成年後見監督人等のそれぞれについて適用する。

(助成金の申請)

第13 助成金の支給を申請しようとする者は、審判請求費用に係る助成金については成年後見制度利用支援事業助成金(審判請求費用)支給申請書(様式第1号)に、報酬費用については成年後見制度利用支援事業助成金(報酬費用)支給申請書(様式第2号)に必要書類を添えて市長に申請しなければならない。

2 生活保護受給者に準ずる者が、前項の規定による申請をしようとする場合は、資産等の状況がわかる書類を添えて市長に申請しなければならない。

3 第1項の規定による申請は、審判請求費用に係る助成にあっては家庭裁判所から予納の通知があった日から、報酬費用に係る助成にあっては家庭裁判所の審判があった日から起算して3か月以内に行わなければならない。

(助成金の支給)

第14 市長は、第13の規定による申請があったときは、その内容を審査し、成年後見制度利用支援事業助成金決定(却下)通知書(様式第3号)により、決定内容等を申請者に通知するものとする。

2 報酬費用に係る助成金の支給は、1年ごとに一括して行うものとする。

(変更の報告)

第15 助成の決定を受けた者は、申請事項に変更があったとき又は助成対象者の要件に該当しなくなったときは、速やかに市長に報告しなければならない。

(助成金の返還)

第16 市長は、偽りその他不正の行為により助成金の交付を受けた者があると認めたときは、その者に対して助成金の全部又は一部を返還させることができる。

(譲渡及び担保の禁止)

第17 助成金の支給を受ける権利は、譲渡し、又は担保に供してはならない。

(補則)

第18 この告示に定めるもののほか、この事業の実施に関し必要な事項は、別に定める。

改正文(令和元年7月25日告示第19号)

令和元年8月1日から施行する。

改正文(令和3年6月30日告示第98号)

令和3年7月1日から施行する。

別表(第12関係)

根拠法令

施設等名称

生活保護法

保護施設

障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

障害者支援施設、のぞみの園、共同生活援助が提供される施設、福祉ホーム

老人福祉法

老人福祉施設、有料老人ホーム

介護保険法

介護保険施設、特定施設、認知症対応型共同生活介護が提供される施設、介護予防認知症対応型共同生活介護が提供される施設


その他市長が認める施設

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成年後見制度利用支援事業実施要綱

平成30年1月29日 告示第12号

(令和3年7月1日施行)

体系情報
第9編 保健福祉/第1章 社会福祉/第1節
沿革情報
平成30年1月29日 告示第12号
令和元年7月25日 告示第19号
令和3年6月30日 告示第98号