○文化財保護条例

平成18年3月6日

条例第178号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 市指定有形文化財(第4条―第20条)

第3章 市指定無形文化財(第21条―第26条)

第4章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財(第27条―第32条)

第5章 市指定史跡名勝天然記念物(第33条―第37条)

第6章 市選定保存技術(第38条―第42条)

第7章 久慈市文化財保護調査委員会(第43条―第48条)

第8章 補則(第49条)

第9章 罰則(第50条―第53条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、法の規定による指定を受けた文化財又は岩手県文化財保護条例(昭和51年岩手県条例第44号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、市の区域内に存するもののうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化的向上に資するとともに、我が国文化の進歩に貢献することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。

(所有権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 久慈市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 市指定有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたもの及び県条例第4条第1項の規定により岩手県指定有形文化財に指定されたものを除く。)のうち重要なものを久慈市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定に基づく指定をしようとするときは、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者等(所有者(所有者が判明しない場合を除く。)及び権原に基づく占有者をいう。以下同じ。)の同意を得なければならない。

3 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定をしようとするときは、あらかじめ、久慈市文化財保護調査委員会の意見を聴かなければならない。

4 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定をするときは、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者等に通知するものとする。

5 第1項の規定に基づく指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定をしたときは、当該市指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 教育委員会は、市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失ったとき、その他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。

2 前条第3項から第5項までの規定は、前項の規定に基づく指定の解除について準用する。

3 市指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定又は県条例第4条第1項の規定による岩手県指定有形文化財の指定があったときは、当該市指定有形文化財の指定は、解除されたものとする。

4 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該有形文化財の所有者等に通知するものとする。

5 所有者は、第2項において準用する前条第4項の規定による市指定有形文化財の指定の解除の通知を受けたとき、又は前項の規定による通知を受けたときは、速やかに、指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者等の管理義務及び管理責任者)

第6条 市指定有形文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、市指定有形文化財を管理しなければならない。

2 市指定有形文化財の所有者は、特別の理由があるときは、専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 市指定有形文化財の所有者は、前項の規定により管理責任者を選任したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任したときも、同様とする。

4 第1項の規定は、管理責任者について準用する。

(所有者等の変更等の届出)

第7条 市指定有形文化財の所有者等の変更があった場合において、新たに所有者等となった者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市指定有形文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等の届出)

第8条 市指定有形文化財の所有者等(管理責任者があるときは、その者)は、当該市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更の届出)

第9条 市指定有形文化財の所有者等(管理責任者があるときは、その者)は、当該市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合は、この限りでない。

(修理)

第10条 市指定有形文化財の修理は、所有者が行うものとする。

(管理又は修理に要する費用)

第11条 市指定有形文化財の管理又は修理に要する費用は、当該市指定有形文化財の所有者等の負担とする。

(管理又は修理に要する費用の補助)

第12条 市指定有形文化財の管理又は修理につき多額の費用を要し、当該市指定有形文化財の所有者等がその負担に堪えないとき、その他特別の理由があるときは、市は、予算の範囲内において、当該市指定有形文化財の所有者等に対し、その管理又は修理に要する費用の一部を補助することができる。

(管理又は修理に関する勧告)

第13条 教育委員会は、市指定有形文化財の管理が適当でないため当該市指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、当該市指定有形文化財の所有者等(管理責任者があるときは、その者)に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を執るべきことを勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、当該市指定有形文化財の所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 市は、予算の範囲内において、前2項の規定に基づく勧告による管理又は修理を行う者に対し、その管理又は修理に要する費用の一部を補助することができる。

(有償譲渡の場合の納付金)

第14条 第12条又は前条第3項の規定に基づき市が補助金を交付した市指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(第2次以下の相続人、受遺者又は受贈者を含む。)は、当該補助に係る管理又は修理が行われた後当該市指定有形文化財を有償で譲り渡したときは、当該補助金の額の範囲内で教育委員会規則で定める計算方法により算出される金額を市に納付しなければならない。

2 前項の場合において、市指定有形文化財を譲り渡した相手方が市であるとき、その他特別の理由があるときは、市長は、同項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第15条 市指定有形文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急の措置を執るとき、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微であるときは、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 第1項の規定による許可には、市指定有形文化財の保存のために必要な限度において条件を付することができる。

4 教育委員会は、第1項の規定による許可を受けた者が前項の規定に基づく許可の条件に従わなかったときは、当該許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は当該許可を取り消すことができる。

5 市長は、第1項の規定による許可を受けることができなかったことにより、又は第3項の規定に基づく許可の条件を付されたことにより損失を受けた者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出)

第16条 市指定有形文化財の所有者は、当該市指定有形文化財を修理しようとするときは、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第12条の規定に基づく補助金の交付を受け、第13条第2項の規定に基づく勧告により、又は前条第1項の規定による許可を受け市指定有形文化財の修理を行うときは、この限りでない。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る市指定有形文化財の修理について技術的な指導及び助言をすることができる。

(公開)

第17条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し、6月以内の期間を限って、教育委員会の行う公開の用に供するため当該市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、前項の規定に基づく勧告により市指定有形文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者を定めなければならない。

3 第1項の規定に基づく勧告による市指定有形文化財の出品に要する費用は、市の負担とする。

4 市は、第1項の規定に基づく勧告により市指定有形文化財を出品したことに起因して当該市指定有形文化財が滅失し、又はき損したときは、当該市指定有形文化財の所有者等に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、当該市指定有形文化財が所有者等又は管理責任者の責めに帰すべき理由によって滅失し、又はき損したときは、この限りでない。

第18条 教育委員会は、市指定有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため第9条の規定による届出があった場合には、当該市指定有形文化財の公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理について必要な指示をすることができる。

(報告)

第19条 教育委員会は、必要があると認められるときは、市指定有形文化財の所有者等(管理責任者があるときは、その者)に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(権利義務の承継)

第20条 市指定有形文化財の所有者等の変更があった場合において、新たに所有者等となった者は、当該市指定有形文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による従前の所有者等の権利義務を承継する。

2 前項の場合において、市指定有形文化財の所有者の変更があったときは、従前の所有者は、当該市指定有形文化財の指定書を新たな所有者に引き渡さなければならない。

第3章 市指定無形文化財

(指定)

第21条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財(法第71条第1項の規定により重要無形文化財に指定されたもの及び県条例第24条第1項の規定により岩手県指定無形文化財に指定されたものを除く。)のうち重要なものを久慈市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定に基づく指定をするに当たっては、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(市指定無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下この章において同じ。)を認定しなければならない。

3 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定又は前項の規定により認定をしようとするきは、あらかじめ、久慈市文化財保護調査委員会の意見を聴かなければならない。

4 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定又は第2項の規定による認定をするときは、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に通知するものとする。

5 教育委員会は、第1項の規定に基づく指定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

6 第3項及び第4項の認定は、前項の規定に基づく追加認定について準用する。

(解除)

第22条 教育委員会は、市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失ったとき、その他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認めるとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認めるとき、その他特別の理由があるときは、その認定を解除することができる。

3 前条第3項及び第4項の規定は、第1項の規定に基づく指定の解除又は前項の規定に基づく認定の解除について準用する。

4 市指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定又は県条例第24条第1項の規定による岩手県指定無形文化財の指定があったときは、当該市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。

5 前項の場合には、教育委員会は、その旨を告示するとともに、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定されていた団体の代表者に通知するものとする。

6 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散し、若しくは消滅したときは、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散し、若しくは消滅したときは、当該市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合においては、教育委員会は、その旨を告示するものとする。

(保持者の氏名変更等の届出)

第23条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したとき、その他教育委員会規則で定める事情があるときは、保持者又はその相続人は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、事務所の所在地若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散し、消滅したときも、代表者(保持団体が解散し、若しくは消滅した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(保存)

第24条 教育委員会は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、当該市指定無形文化財についての記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができる。

2 市は、予算の範囲内において、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し、その保存に要する費用の一部を補助することができる。

(公開)

第25条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対してその公開を勧告することができる。

2 市は、予算の範囲内において、前項の規定に基づく勧告による市指定無形文化財の公開を行う者に対し、その公開に要する費用の全部又は一部を補助することができる。

(保存に関する助言又は勧告)

第26条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

第4章 市指定有形民俗文化財及び市指定無形民俗文化財

(指定)

第27条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財に指定されたもの及び県条例第30条第1項の規定により岩手県指定有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち重要なものを久慈市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要無形民俗文化財に指定されたもの及び県条例第30条第1項の規定により岩手県指定無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち重要なものを久慈市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 第4条第2項から第6項までの規定は、前項の規定に基づく市指定有形民俗文化財の指定について、第21条第3項の規定は、前項の規定に基づく市指定無形民俗文化財の指定について準用する。

3 教育委員会は、第1項の規定に基づく市指定無形民俗文化財の指定をするときは、その旨を告示するものとする。

(保持者又は保持団体の認定)

第28条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定無形民俗文化財の保持者又は保持団体(市指定無形民俗文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定することができる。

2 第21条第3項及び第4項の規定は、前項の規定に基づく認定について準用する。

(解除)

第29条 教育委員会は、市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失ったとき、その他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。

2 第5条第2項及び第5項の規定は前項の規定に基づく市指定有形民俗文化財の指定の解除について、第22条第3項の規定は前項の規定に基づく市指定無形民俗文化財の指定の解除について準用する。

3 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財の指定又は県条例第30条第1項の規定による岩手県指定有形民俗文化財若しくは岩手県指定無形民俗文化財の指定があったときは、当該市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財の指定は、解除されたものとする。

4 第5条第4項及び第5項の規定は前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除について、第22条第5項の規定は前項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除について準用する。

(保持者又は保持団体の認定の解除)

第30条 教育委員会は、第28条第1項の規定に基づく認定をした場合において、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認めるとき、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認めるとき、その他特別の理由があるときは、その認定を解除することができる。

2 第22条第3項の規定は、前項の規定に基づく認定の解除について準用する。

3 第28条第1項の規定に基づく認定をした場合において、市指定無形民俗文化財の保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散し、若しくは消滅したときは、当該保持者又は保持団体の認定は、解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示するものとする。

(現状変更等の届出等)

第31条 市指定有形民俗文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 教育委員会は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の規定による届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為について必要な指示をすることができる。

(準用規定)

第32条 第6条から第14条まで及び第17条から第20条までの規定は市指定有形民俗文化財について、第24条及び第26条の規定は市指定無形民俗文化財について準用する。

第5章 市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第33条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物(法第109条第1項の規定により史跡、名勝又は天然記念物に指定されたもの及び県条例第37条第1項の規定により岩手県指定史跡、岩手県指定名勝又は岩手県指定天然記念物に指定されたものを除く。)のうち重要なものを久慈市指定史跡、久慈市指定名勝又は久慈市指定天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 第4条第2項から第5項までの規定は、前項の規定に基づく指定について準用する。

(解除)

第34条 教育委員会は、市指定史跡名勝天然記念物が市指定史跡名勝天然記念物としての価値を失ったとき、その他特別の理由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市指定史跡名勝天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物の指定又は県条例第32条第1項の規定による岩手県指定史跡、岩手県指定名勝若しくは岩手県指定天然記念物の指定があったときは、当該市指定史跡、市指定名勝又は市指定天然記念物の指定は、解除されたものとする。

3 第5条第2項の規定は第1項の規定に基づく指定の解除について、同条第4項の規定は前項の規定による指定の解除について準用する。

(土地の所在等の異動の届出)

第35条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者等(第37条において準用する第6条第2項の規定により選任した管理責任者があるときは、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(現状変更等の制限)

第36条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については、維持の措置又は非常災害のために必要な応急の措置を執るとき、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微であるときは、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 第15条第3項及び第4項の規定は、第1項の規定による許可について準用する。

4 市は、第1項の規定による許可を受けることができなかったことにより、又は前項において準用する第15条第3項の規定に基づく許可の条件を付されたことにより損失を受けた者に対し、その通常生ずべき損失を補償する。

(準用規定)

第37条 第6条から第8条まで、第10条から第14条まで、第16条第19条及び第20条第1項の規定は、市指定史跡名勝天然記念物について準用する。

第6章 市選定保存技術

(選定等)

第38条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術として選定されたもの及び県条例第43条第1項の規定により岩手県選定保存技術として選定されたものを除く。)のうち保存の措置を講ずる必要があるものを久慈市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定に基づく選定をするに当たっては、当該市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体(財団を含む。)で代表者又は管理人の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 一の市選定保存技術についての前項の規定による認定は、保持者と保存団体とを併せてすることができる。

4 第21条第3項から第6項までの規定は、第1項の規定に基づく選定及び第2項の規定による認定について準用する。

(解除)

第39条 教育委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなったとき、その他特別の理由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認めるとき、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認めるとき、その他特別の理由があるときは、その認定を解除することができる。

3 第22条第3項の規定は、第1項の規定に基づく選定の解除又は前項の規定に基づく認定の解除について準用する。

4 市選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術としての選定又は県条例第43条第1項の規定による岩手県選定保存技術としての選定があったときは、当該市選定保存技術としての選定は、解除されたものとする。

5 第22条第5項の規定は、前項の規定による選定の解除について準用する。

6 前条第2項の規定による認定が保持者のみについてなされた場合にあってはそのすべてが死亡したときは、同項の規定による認定が保存団体のみについてなされた場合にあってはそのすべてが解散し、又は消滅したとき、同項の認定が保持者と保存団体とを併せてなされた場合にあっては保持者のすべてが死亡しかつ保存団体のすべてが解散し、又は消滅したときは、当該市選定保存技術としての選定は、解除されたものとする。この場合において、教育委員会は、その旨を告示するものとする。

(保持者の氏名変更等の届出)

第40条 第23条の規定は、保持者及び保存団体について準用する。この場合において、同条中「代表者」とあるのは、「代表者又は管理人」と読み替えるものとする。

(保存)

第41条 教育委員会は、市選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、当該市選定保存技術について記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができる。

2 市は、予算の範囲内において、市選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存に要する費用の一部を補助することができる。

(保存に関する指導及び助言)

第42条 教育委員会は、市選定保存技術の保持者又は保存団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導及び助言をすることができる。

第7章 久慈市文化財保護調査委員会

(設置)

第43条 市の区域内に存する文化財の保存及び活用に関し、教育委員会の諮問に答え、又は意見を具申し、及びこれらのために必要な事項を調査審議するため、久慈市文化財保護調査委員会(以下「調査委員会」という。)を置く。

(組織)

第44条 調査委員会は、委員15人以内をもって組織する。

2 委員は、文化に関し広く、かつ、高い識見を有する者のうちから、教育委員会が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 委員は、再任されることができる。

(会長及び副会長)

第45条 調査委員会に会長及び副会長1人を置き、委員の互選により選任する。

2 会長は、会務を総理し、会議の議長となる。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第46条 調査委員会は、教育委員会が招集する。

2 調査委員会は、委員の半数以上が出席しなければ、会議を開くことができない。

3 調査委員会の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(庶務)

第47条 調査委員会の庶務は、教育委員会の事務局において処理する。

(雑則)

第48条 第44条から前条までに定めるもののほか、調査委員会の運営に関し必要な事項は、会長が調査委員会に諮って定める。

第8章 補則

(委任)

第49条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

第9章 罰則

第50条 市指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

第51条 市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をして、これを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

第52条 第15条又は第36条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、市指定有形文化財若しくは市指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

第53条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務又は財産の管理に関して前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

(施行期日)

1 この条例は、平成18年3月6日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までに、合併前の久慈市文化財保護条例(昭和53年久慈市条例第11号)又は山形村文化財保護条例(昭和48年山形村条例第8号)(以下これらを「合併前の条例」という。)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされた処分、手続その他の行為とみなす。

3 施行日から平成20年4月30日までの間に委嘱される久慈市文化財保護調査委員会の委員(第44条第3項だたし書に規定する補欠の委員を除く。)の任期は、同項本文の規定にかかわらず、平成20年4月30日までとする。

4 施行日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお合併前の条例の例による。

文化財保護条例

平成18年3月6日 条例第178号

(平成18年3月6日施行)

体系情報
第13編 育/第5章 文芸・文化財
沿革情報
平成18年3月6日 条例第178号